- ストーリー
- 感想
- 表紙のデザイン
・ストーリー
『血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。』
・水戸 産みの親。母は天国に、父はブラジルにいる(らしい)
・梨花 若くて美人でお洒落な義母。優子にピアノを与えてくれた。
・泉ヶ原 威厳有る、お金持ちの義父。でもお人好し。
・森宮 一流企業で働きながら、男手一つで優子を育てている。
優子はみんなから愛されていた。じゃあなぜみんな彼女から去っていってしまったのか。
大人になった優子はあることをきっかけに親めぐりをする。今だからこそ分かるそれぞれの愛の深さ。そして去っていった理由。
・感想
私が普段読んでいる本とは違うジャンルでしたがオススメしてもらい読み始めたら止まりませんでした。
続きはどうなってるんだ!?とはやる気持ちというよりは気付いたら読み進めていた。という感じで、とても読みやすく心地の良い作品でした
ものすごく好きだった文章2つ
・自分以外の誰かの分を用意する時、家族ができたんだと実感するよな。優子ちゃんがおいしそうに食べる顔想像したら、せこいやつだと思われるのなんて気にもせず会社の菓子を持って帰れる。娘が出来るって凄いことだよな
・梨花が言ってた。優子ちゃんの母親になってから明日が二つになったって。
自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日。親になるって、未来が2倍以上になることだよって。明日が二つにできるなんて、すごいと思わない?未来が倍になるなら絶対にしたいだろう。それってどこでもドア以来の発明だよな、しかもドラえもんは漫画で優子ちゃんは現実にいる。
どちらも血の繋がっていない親のセリフですが、血なんて関係ないと思えるくらい愛情に満ちた文だなと思いました。
私はもう社会人ですし、まだ子供はいませんが。自分の学生時代を思い出し、親の愛情を感じたり、子供ができたら自分もこんな風に思うのかなあと終始しあわせな気持ちで読んでいました。
きっといま学生であったりお子さんがいらっしゃる人は、昨日までの5割増で親や子に愛情を振りまいていると思います(笑)
読む人を選ばない話なのでどんな人にもオススメできる一冊です。
・表紙のデザイン
本屋大賞を受賞したのもありこの本の存在は知っていたし、書店でもよく見かけていましたが、表紙のイラストが印象的でちょっと変わった、怖い感じの作風の内容なのかと勝手に思い敬遠していました。
ですが作品を読み、内容のやわらかさを知って、この表紙のイラストを改めて見ると女の子の表情が絶妙でタイトルもすごく良いなあと思ってます。
なので居ないかもしれませんが、私のような印象をもって読んでいない人がいたら是非手にとってみてください!
最後まで読んで頂き有難うございました!